こんにちは、まろです。
今回は、少し前にNHK Eテレ「こころの時代」で放送されていたウィルス学者さんへのインタビューのお話をご紹介します。
この学者さんのお話がとても興味深くて面白く、今世間でざわついている新型コロナウィルスに対する見方が大きく変わりました。
インタビューされていたのは、東京大学名誉教授で、今は撲滅した天然痘の根絶プロジェクトにも携わったという日本を代表するウィルス学者である山内一也氏です。
面白いと思ったポイントをかいつまんでご紹介すると
●「生命の一年歴」
地球が誕生した46億年前を1月1日として、現代を1年の終わりとして捉える「生命の一年暦」というものがあり、それによると、 ウィルスが誕生したのは5月初めで、人間が誕生したのは12月31日の最後のほんの数秒とのこと。
ウィルスは人間が誕生する遥か昔からこの地球に存在しており、ウィルスにとって人間は取るに足らない存在であり、人間が勝つとかどうこう言うような相手ではない。
次元が違う存在。大先輩なのです。
●ウィルスと細菌の違い
「細菌」は、1000分の1ミリ位のサイズで、光学顕微鏡で見える。
原始的細胞で、2つに分裂することで増える。(動植物と同じ)
遺伝情報のDNA、代謝やエネルギー供給のメカニズムを持ち合わせる。
=増殖に必要な情報と機能を備える。(つまり、単体で生きられるということ)
一方「ウィルス」は、1万分の1ミリ〜10万分の1ミリのサイズで、電子顕微鏡でないと見えない。(細菌の10分の1〜100分の1)
DNAはあるが、代謝やエネルギー供給機能を持たないので、他の生物細胞の代謝機能を利用する(タンパク質合成装置をハイジャックする)寄生生命体である。
なので、外界に放り出されると増えることができず、細胞外ではただの物質同然という、とても不思議な生命体なのです。
●人間の遺伝子ヒトゲノムの4割位がウィルス由来とのこと。
ここは専門的で、私の理解が追いついていないですが(苦笑)、ウィルスと人間は一体化しており、身の内だと仰っていました。
●人間の身体には、腸内細菌や皮膚常在菌などが居ることはご存知の通りで、それら細菌に寄生する膨大なウィルスが存在している。
腸内細菌は100兆個 1つの細菌に10個位のウィルスがいる。
=1000兆のウィルスが我々の体内に存在しているのです。
つまり、人間もウィルスに囲まれ、ウィルスと共に生きているのです。
もう「ウィルスとヒトの区別がつけ難い」とも仰っていました。
●ウィルスと言っても、病気を引き起こすウィルスだけではなく、病気を離れた善玉ウィルスも居る。
新型コロナウィルスは、元々野生のウィルスで、今回たまたま人間という生物細胞を見つけて入り込み、相性悪く人間には病気を引き起こす存在として注目されるようになってしまったのである。
ウィルスたちは、別に人間が憎くて攻撃しているのではなく、ただ生きるために、子孫を残すために、目の前にいる生物の細胞に入り込んでいるだけで、ただそれだけなのです。
全ての生命体がそうであり、人間も生きるために他の生命を頂いているのと全く変わらないのです。
とてもシンプルな話。
人間が複雑にしているだけの話。
とはいえ、それぞれの生命体が生き抜いていくためには、弱肉強食の世界で勝ち残っていかないといけない訳で、
そういう意味では、37兆個の細胞で構成される「私」たちは、人間にとって害となるウィルスから37兆個の細胞たちを守らないといけないし、戦ってくれる強い細胞を育て、養っていかないといけないのであり、そのためにできる限りのことをしていかないといけないのですね。
結局のところ、細胞が最高の状態で居られるように、睡眠、食事、運動、ストレスフリーの生活 ということに尽きます。
今回、山内氏のウィルスを同じ生命体としてとらえる優しい眼差しが、とても共感でき、印象的でした。
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